伝統の継承から未来の洞察、東と西の国々との交流など、「デザインの前後左右」を見すえたアートディレクターでもあった日本を代表するグラフィックデザイナー 田中一光(1930~2002)
本展では、琳派、浮世絵、伝統芸能など、市民の文化を熟知し、それらを視覚表現の主題として現代の創作に活写した田中の発想の広がりと表現の着地するさまを多彩にとりあげられている。
残された膨大な数の作品や資料を検証し、仕事の主軸となるグラフィックデザイン作品を中心に、原画や写真、記録資料など、活動の実際を示す貴重なアーカイブも紹介。
それらを通して、田中一光というクリエイターの人と仕事に迫り、デザイン思想がどのように展開し、表現されたかを探る企画となっている。
会場風景 撮影:吉村昌也
戦後からの激しい時代を伸びやかに生き抜いた田中一光の創作の軌跡をたどる本展。
現代社会へのメッセージに満ち、これからのクリエイションの新しい方向性と可能性を示唆してくれるのではないか。