【星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか】
「顧客満足度の向上」はビジネスの成功に導くために重要な事。
しかし、ここで一つ疑問が湧きます。
どのような商品やサービスを提供したら顧客は満足するか?。
商品やサービスに対する”価値観”は人それぞれ。
商品やサービスに対する”満足度”も人それぞれ。
顧客満足度という一定の尺度はあっても、その実、お客様がそれぞれに違う尺度を持っている事をよく知っているのは、一線で活躍されている貴兄でしょう。
『いかにして顧客に喜んで頂けるか。』という事は常に付きまとうという課題。
今回ご紹介する『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか』の中に、この課題を解決するための答えが見えてきます。
この本は、リゾート運営会社「星野リゾート」が運営する全国のホテル・旅館のスタッフが業務の中で次々に起こる事件(業務改善やクレーム等)をいかにして解決していったのか、そして、それらをお客様が満足するサービスにまで変えていったのかが紹介されています。
上司・部下の関係はあっても、業務では誰もが自由に自分の意見を主張できる。
全員が意見を出しあい、全員で考え、全員が実行に移す。
社長はスタッフへのアドバイスや要所での決断に徹するというのが星野リゾート流。
これが社員のモチベーションアップとなり、社員自らが問題・課題の解決に動くようになる。そして、これまでの常識を覆すアイデアが生み出す成果を上げる事にも繋がるだけでなく人の質も向上していくこととなります。
「人材こそ宝」と言われますが、ここまで徹底的に実践している会社はないと思うほどスタッフが主役。さらに、スタッフは常に顧客目線に立ち、全員が経営者の意識を持って動いています。
そんなスタッフ達が生み出すサービスの顧客満足度が低いわけがありません。
誰もがそのサービスに感動し、リピーターとなるのは当然の結果かもしれません。
顧客目線に立ち、自分の意見を主張できるスタッフたちが考え抜き、解決に向かっていく姿を読み進むうちに、自分の仕事に対する考え方、今後、どう顧客のためにどう動けばいいのかという事を再確認するだけでなく、顧客満足度と利益のバランスという現実的な事までも考えさせられる内容となっています。
自分の仕事に納得出来ておらず、仕事の質をもっと高めたい方には是非読んで頂きたい一冊です。