「人材は宝」を理念とする企業は数多い。
社内環境の改善による働きやすい職場づくりや社員教育によるスキルアップが企業の成長にも繋がる。
しかし、いくらスキルアップをしても、自分が望むキャリアや評価には大きな開きがある事を感じる事はないだろうか。そんな気持ちで日々の業務をこなすうちに、いつしか会社への愛情も薄れ、仕事への情熱もなくなっていく…。
そんな「宝」である貴兄の仕事への情熱を呼び覚ましてくれる書をご紹介したい。
インディテックス社で人材開発のゼネラル・マネジャーを経験したヘスス・ベガ 氏の著書「世界中を虜にする企業~ZARAのマーケティング&ブランド戦略~」だ。
ファッション業界で世界一の売り上げを誇るインディテックス社と聞いピント来る方は少ないだろう。しかし、 ZARA というブランドは誰しもご存知のはず。ZARAは、ファッション・トレンドをいち早く商品に取り入れるそのスピード感が有名なスペイン発のブランド。
日本ではユニクロがファストファッションブランドとして有名であるが、その他にもH&MやGAPなど誰もが一度は目にしたことのあるブランドを突き放し、トップブランドとして君臨するZARAの魅力とは。
本書は、これまで出版された数多くのビジネス本で使われるような専門用語はほぼ出て来ない。
会社を「彼女」と比喩し、その「彼女」をなぜ愛したのか、社員だけでなく、顧客やサプライヤーなどの心を掴んで話さない「彼女」の魅力についてなど、まるで恋愛小説のようにも読める内容だ。
しかし、自分と会社の関係を恋愛として見なおしてみると面白い発見がある。
恋愛は会社と社員の関係。商品と顧客の関係と似てはいないだろうか。
自分の求めるキャリアや、自分が求める評価に納得がいかない今、本書に書かれているような“恋愛”を今一度思い出して欲しい。
成長する会社の中で見失いがちな人と人との強い信頼関係を築くヒントが見えてくるはずだ。